36.たいうときどきにふる
36.たいうときどきにふる
旬をいただく「こよみ乃ごはん」ももせあつしです。
今日から72候は「36. 大雨時行」。
大雨とはこの時期辺りに姿をみせる夕立ちのこと。夕立ちって、夕方に降る雨のことだとばかり思っていましたが、実は急な雷雨、激しい雷雨のことを「彌降り立つ(いやふりたつ)雨」といい、これが省略されて「やふたつ」になり「ゆふだち」になったという説もあるよう。
面白いですよね笑。
言葉を短縮系にするのも今に始まったことでないところもまたすごく面白い^ - ^
大雨、ゲリラ豪雨というと、あんまり良いイメージがないですが、こういう言葉の成り立ちを知ると、夕立ちにも愛着が湧いてきます。
入道雲の雰囲氣やふく風の湿度に意識をおくと、「今日はひと雨降りそうだな」とわかってくるし、雨がくるのがわかっていれば、雨の間は静かに過ごす心積もりも出来ます。夕立ちの後、風がスーと涼しくなり過ごしやすくなるのを体感すると、夕立ちを待ち望むこともあったりして笑。触れること、感じることで、ものの見方は変わりますねー♡
さてさて、食べ物の話。
僕がこの時期食べたくなるもののひとつに、そうめんがあります。そうめんは七夕の行事食にもなっており、夏が旬と言ってもよい食べ物。暑い季節はたっぷりの薬味とキンキンに冷やしたそうめんが食欲をそそりますよね。(写真はそうめん茹でてから麺つゆ切らしてたことに氣づき、急遽醤油&胡麻油でタレを作ったもの。上から散らしたキュウリの古漬け、茗荷、生の満願寺とうがらしがアクセントになってとっても美味しかったです)
また、そうめん製造の旬といえば、逆に氣温が低く晴天の多い冬に行われるそうで、これは氣温が低いと塩分を少なく製造ができ、コシが強くなるんだとか。
さらにそうめんは「梅雨を越す」と抜群に美味しくなるんだそうですよ‼︎
高温多湿の梅雨時期の湿氣が一種の高温発酵を促し、麺の旨みとコシを増長させるんだそう。この事を厄(やく)といいます。「厄」を越したそうめんはゆでても「コシ」が強く、茹でのびしにくい麺に変化する。去年、厄を越した私も今かなり美味しい時期を迎えていますよ。ぜひご賞味くださいね笑。
あと、そうめんには「ひねもの(古物)」という言葉もあるそうです。製造から2年目を迎える(2回目の梅雨を迎える)そうめんを示します。
さらに「おおひねもの(大古物)」もあり、こちらは3回目の梅雨を越すそうめんのこと。「そうめんは古いほど美味しい」と言われますが、厄を越したそうめんは、新物のそうめんに比べてコシが強く、茹でのびしにくくなるようです。
但し、古ければ古いほどいいかというと、必ずしもそうではなく、一番の食べ頃は製造から2~3年。台所の戸棚整理していたら、去年のお中元にいただいたそうめんが出てきたといった状況は、これからは宝物が出てきた‼︎みたいな小躍りするような状況になるかもしれませんね笑。まあ、製造元の記載している賞味期限もありますので、食べる時はくれぐれも自分の責任の範囲で笑。